1998年12月に誕生した日西クラブは、時の流れと共に変化、進化してきました。
何がどう進化したのか、日西クラブの今を見てみたいと思います。
1) 会のコンセプトはHincha
当会の基本目的は、その会則で「日西両国間の経済関係の発展に資すること」と謳っています。
それを支えるベースは、会員の草の根のボランテイア精神です。
その草の根を強くするには、肥沃な土壌が必要です。
丈夫な草がしっかり根を張る土壌とは何でしょうか。
当会の会長はこれを、Hincha の集まりと表現しています。
Hinchaという言葉を辞書で引くと「partidario entusiasta de un equipo deportivo」
と出てきます。
この equipo deportivo をEspanaに置き換えたのが、今の日西クラブのコンセプトです。
単なるスペインファンではなく、熱狂的スペイン応援団の集まりです。
経済だけでなく いろいろな分野の人達が集まる層の厚いスペイン応援団だからこそ、土壌は肥沃になり草の根は強く、色とりどりの花が咲き、その結果 経済分野も含め日西関係の発展に資するいろいろな果実の収穫が、期待できるのではないでしょうか。
2) 講演テーマは、経済からポップカルチャ―まで
駐スペイン日本大使が帰国すると、スペインの政治経済の現状について、駐日スペイン大使や参事官が着任すると前任地ないし担当任務をテーマに話して頂くのが通例ですが、そんな原則を踏襲しながらも、日西クラブを支える土壌の豊かさと相俟って、今は、その時々に相応しいテーマの講演を企画実行しています。
ユニークな講演題目のいくつかを挙げてみると、
「日本発ポップカルチャーとスペインの若者」「スペイン語通訳よもやま話」「千葉県御宿沖に眠るスペイン財宝の行方」「スペイン料理の昔と今」「サンチアゴ巡礼の道」「支倉使節渡欧時のスペインとヨーロッパ」等々といった具合で、経済だけでなく歴史、宗教、語学、食文化、と幅広い分野に亘ります。
然し、すべての講演に共通している一つのことがあります。
それは、参加された方々が一様に「聴いて よかった」と言われることです。
それもその筈、講演者は、その分野の専門家で深い知識に裏打ちされ、更に貴重な実体験に基づいて話されるからです。
これからも参加者の「聴いてよかった」感を大切に、講演を企画実行して行きたいと思います。
3) 懇親会が目玉イベントに
定例会案内状の末尾に「講演会の後は恒例のスペインワイン飲み放題の懇親会をお楽しみ頂けます」と控えめに書かれている懇親会が、実は大人気の目玉イベントになっています。
先ずはスペインワイン飲み放題。
居酒屋のそれとはけた違いの高級スペインワインが振舞われます。
それに会場となるカフェ・ジュリエのご主人が腕を振るうタパスはじめ数々の料理、時にはハモン・セラーノやケソ・マンチェゴも加わるので、あちこちのテーブルは、スペインのバールに変身します。
会員の皆さんは、本場スペイン仕込みのバール文化を身に着けているだけに、恒例の乾杯の音頭「VIVA! 乾杯!SALUD!」の後は、初めて参加した人も、すぐに旧知のアミーゴ仲間です。
バールテーブルは、商社、メーカー、証券、保険、銀行、官庁、大使館、出版、広告、大学、美術、音楽等々と幅広い分野の会員が、ワイン片手に談論風発の場になるので、そこからお宝情報や新たな人との出会いも生まれます。
そんな魅力あふれる定例会の夜は、名残尽きないスペインバールの閉店時間でお開きになります。
4) 会員資格条件も先ずHincha
会のコンセプトの進化と共に、会員資格条件も進化しました。
先ずはHinchaであること。
会則では「スペイン駐在経験もしくはこれに準ずる経験」と規定していますが、その求める精神は、Hinchaです。
スペインに在住経験がなくても、旅行、食、芸術、文学、フラメンコ等等 色々な出会いを通してスペイン大好き人間になった方がたくさんいらっしゃると思います。
そんな方々の参加を得て、Hinchaの集まり、日西クラブの土壌が、更に豊かになることを願っています。